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​心武館の歴史

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心武館は、天然理心流二代宗家近藤三助の弟子であり『戸吹の小天狗』の異名を取った剣豪、松﨑正作が伝えた系統で、松﨑正作から息子の松﨑和多五郎へと受け継がれ、そして和多五郎の晩年の弟子であった井上才市が心武館を創設しました。初代館長井上才市、二代目井上昌作、三代目井上義雄と続き、現在は井上家現当主の義弟にあたる大塚篤が四代目館長を継承しております。

 佐幕派である新選組の主幹流派であった天然理心流は、維新後、明治政府から迫害を受けながらも、多摩地方に根付いた文化として多摩の人々に護られながら、いくつもの指南家が技法を伝えていましたが、明治大正昭和という大きな時代の変遷とともに徐々に衰退し、太洋戦争戦後にはほとんどの系脈が途絶えてしまいました。 そのような中、心武館だけは天然理心流剣術の全伝を今日まで伝え、現在は天然理心流指南免許を継承する唯一の道場となっております。

 天然理心流の多くの系脈が途絶え、失伝の危機にある状況を憂いた二代目館長井上昌作師範は、昭和四十二年、当時剣道を学んでいた義孫の大塚篤に才覚を見出し、戦死した息子、義雄師範の後継として彼に天然理心流の指導を始めました。そして昭和五十一年、自身が受け継いできた天然理心流剣術の全ての技法と精神、そして亡き義雄師範の遺志を大塚館長に託され、心武館四代目としてその系脈を譲りました。

 このような経緯から、みだりに見せたり教えたりしてはならないという掟が引き継がれ、近年に至るまでごく限られた少数の人にしか伝えられてきませんでした。

 大塚館長は、天然理心流の修行のかたわら、職場の居合道部の指導や地域の少年剣道の指導等を通じて、武道による社会貢献を実践してまいりましたが、そうした人脈を通じて、多くの方から天然理心流の指導を請われることとなり、平成16年に門戸を開きました。

 現在、心武館には約三百名を超える門人が在籍し、健康増進、精神修養、伝統文化継承を目的に天然理心流の修行に励んでおります。

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